スラムメディシンボール
Slam Medicineball
投てきアスリート必見!!投げの極意


月刊陸上競技2020年4月号掲載
投てき種目において、重要なことの1つは「力を投てき物にどう伝えるか」ということ。理想的なフォーム・順番で身体を動かせば、力を最大限発揮して投てき物に伝えることができる。
今回は、投てきの名門・西武台高(埼玉)の羽尾邦夫先生に「投げの極意」をつかむトレーニングを紹介してもらった。「スラムメディシンボール」を使って投げの感覚を身につけ、シーズンインから自己ベストを連発しよう!
羽尾 邦夫 氏
<プロフィール>
■ 埼玉・西武台高校陸上競技部顧問
■ 1964年11月2日生まれ
■ 埼玉県立上尾高→日大卒
現役時代は円盤投を専門に、ハンマー投、やり投にも取り組む。女子砲丸投でインターハイ連覇の松田昌己、大野史佳、インターハイ砲丸投・円盤投・ハンマー投入賞の秋場堅太、やり投で国体優勝の相澤潤一郎らを輩出している。


物は動かせば「軽く感じる」
投てきの際に大切なのは、「力を投てき物にどう伝えるか」ということです。物理的なフォーム・順番で力を伝えれば、投てき物を軽く感じることができ、より遠くへ投げることにつながります。しかし、この順番を間違えてしまうと、持っている力を十分に発揮できず、投てき物を遠くに投げることが難しくなります。
理想的な動きは、足(脚)→背中→肩→手(腕)という順で力を伝えていきます。つまり、「大きい筋群」から「小さい筋群」という順番です。
私の考え方を砲丸投において例えます。止まっている砲丸をスピードゼロから動かすとずっしりと重さを感じますが、動いているとどうでしょう? 軽く感じませんか? そのため、「大きな筋群=脚」を使って最初に投てき物を動かし、背中、肩、「小さな筋群=手」と伝えると同時に、投てき物を加速させていきます。もちろん方向も大切です。そうすれば、リリース時に砲丸の重さを感じずに投げることができます。これは円盤投、ハンマー投、やり投も同じですし、短距離におけるスタートダッシュでも同様です。
理想的な動きをマスターするための、メディシンボールを使ったトレーニングを紹介します。普段の練習から、理想的なフォーム・順番を意識して投げましょう。
メニューは、フロント投げ、バック投げ、叩きつけの3種類で、オーソドックスなものです。男子4kg、女子3kgで、初心者や投てきが専門の選手以外は軽くするなりして、各10回ほどでセットを組むのが目安です。叩きつけは1~2kgで十分です。
試合でのウォーミングアップでは軽くてもかまいませんし、1セットで十分だと思います。あまり重たい物を頑張って投げようとすると動きは遅くなり、力んでフォームが崩れやすくなると思います。また、飛距離を競うと手の力に頼ってしまい、こちらも動きが崩れますので注意してください。とにかく「理想的な順番」が大切です。
「弾みにくい」スラムメディシンボール
今回使用するのは、ニシ・スポーツの「"スラム"メディシンボール」です。こちらは従来のメディシンボールとは違い、「弾みにくい」という特性があります。内部に砂が入っていて、同じ大きさで砂の量によって重さが違うのも特徴です。
弾みにくいことにより、転がったボールを取りに行く手間が短くなるため、1人でも練習できます。少人数で大会に行く際にも非常に便利です。また、従来のメディシンボールを叩きつけると、跳ね返りで顔にあたるなどのリスクがありましたが、スラムメディシンボールではその心配もありません。理想的なフォームで力強く叩きつけることができます。
もちろん、通常のメディシンボールのように弾むからこそできるメニュー(例えば連続直上投げなど)もありますので、狙いによって使い分けます。


スラムメディシンボール
「叩きつける」「投げつける」
商品スペック
サ イ ズ:(φ)23cm
材 質:合成ゴム、砂入り
台湾製
※バウンドさせたいトレーニングには不向きです。
※内部で砂が遅れて動くため、投げる(リリースする)タイミングがズレます。

スラムメディシンボールを使った西武台高のメディシンボールトレーニング
①フロント投げ
スラムメディシンボールを両手に持ち、下から上へ、頭上高く、かつ3~4m前方への落下を目指して投げます。
①の時の足は踵が握りこぶし2個分くらい開くようにしてください。ポイントとなるのは、①最初の姿勢、②沈み込み、④肘が伸びたところ、⑥脚と背中が上がったところ、そして⑦リリース時(バンザイ)です。
①から②の局面では、まさに「グライド」の入りの部分です。③~⑤で肘と背中はまっすぐにします。
腰や腕から投げてしまうことが多いですが、しっかり足、背中、手の順番で投げましょう。


②バック投げ
スラムメディシンボールを両手に持ち、下から上へとボールを動かし、最後は後方(背中側)へ高く、かつ3~4m後ろへの落下を目指して投げます。フロント投げよりも背中から肩甲骨、肩を大きく使えるのがバック投げの特徴です。
注意点はフロント投げと同じで、足から背中を伝って、最後は腕に力を伝えます。腕で後ろに投げるのではなく、背筋を使って高く投げます。リリース時は脚、背中がまっすぐになるようにし、お尻の筋肉を締めてください。背中を反り過ぎると、脚・肩の筋肉を使えず、腰のケガにもつながります。


③叩きつけ
スラムメディシンボールを両手で持ち、②一度頭上へ持ち上げ、③自然に落ちてくるボールに合わせて脚(膝)・背中でボールを加速させて、⑤最後は肩・腕を使って地面に叩きつけます。ボールが動いても、力を発揮する順番は変わりません。
しゃがんでから投げるのではなく、背中、腰がしっかりと入った④パワーポジションの瞬間に投げます。自由落下からどんどんスラムメディシンが加速する感じです。


まとめ
理想的な正しい動き・順番で身体を動かすことで、効率良く投てき物に力を伝えることができます。
冬季練習でパワーアップした身体を最大限生かしてシーズン直後から自己ベストを更新するためにも、普段の練習から「理想の動き」「理想の順番」を意識して行いましょう!

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