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スプリントを磨こう!!

スピードバンド トレーニング
speed band

MVMV

月刊陸上競技2021年4月号掲載

陸上競技の基本は何といっても「スピード」だ。トラック種目だけでなく、跳躍や投てきなどのフィールド種目でもスピードがあることは大きな武器となる。
そのスピードを高めるには股関節周辺の筋力や動かし方がカギを握ると言われている。
そこで、2020年全国中学生大会の男子4×100mリレーで優勝した上山南中学校(山形)の本間哲先生に、ニシ・スポーツの「スピードバンド」を使ったスプリントトレーニングを紹介いただいた。
"走りのコツ"を身につけて記録向上につなげよう!

本間 哲 氏

<プロフィール>

■ 山形・上山南中学校陸上競技部顧問

■ 1983年6月4日生まれ

■ 山形中央高→山形大卒


現役時代は全中400m、インターハイ4×100mリレーに出場。自己ベストは49秒20。2016年に上山南中に赴任し、2020年は全国中学生大会で男子四種競技の高橋大史が3091点の中学新記録を樹立して優勝。男子4×100mリレーも制するなど大旋風を起こした。

本間 哲本間 哲

正しい動きや走り方を習得

中学生のスプリントで大切なのは地面に力をしっかり伝えることと、空中での脚の切り替えです。スピードバンドを使うと、それらを習得するうえでとても効果が高くなると感じています。

普段、本校ではさまざまなドリルを組み合わせて実施しています。走りの要素を分解して、それをスプリントにまとめていくような内容となっています。

その中で、脚の切り替え動作(切り返し)は以前から取り入れています。ただ、器具を何も使わないと負荷のかけ方に限界があるので、ハイパフォーマンスを引き出すためにスピードバンドを使用しています。

スピードバンドはチューブによる負荷があるため、正しい走り方や動きを習得するのに効果的です。股関節を意識しやすくなりますし、使うことで股関節周辺の筋力強化にもなります。神経系に働きかけられるという意味でも、中学生や高校生には特におすすめです。実際に、スピードバンドを外した後に腿上げをさせると格段にキレが良くなりますし、こういった神経系に働きかけられる器具はこのスピードバンド以外にありませんでした。

本校ではシーズンオフであれば週に1~2回、シーズン中でも2週間に1回程度はスピードバンドを使用しています。シーズン中はパフォーマンスを高める目的で使い、冬などの鍛錬期では動きづくりのために活用しています。負荷が少し高くなるので、本練習の1つとしてとらえています。

携帯しやすいので全国大会にも持っていきましたし、試合期も含めて1年中使えるアイテムだと思っています。

スピードバンドを使った上山南中のスプリントトレーニング

①歩行

大腿骨の長さとほぼ同じ幅で地面に目印を並べ、腿上げをして歩きながら踏んでいきます。腰と膝の連動を意識して、目印を真上から踏めているかがポイントです。スピードバンドがなくても同じように動かせるようにします。
※目印として「アジリティースラッツ屋内用(NT7441C)を使用。」

②1歩の切り返し(左右)

膝を上げた状態から1回だけ空中で左右を切り替え、逆脚の膝を同じ高さまで上げます。1回に集中して正しく動かせるようにします。
左右の脚で動きに違いが出ることもあるので、同じように意識します。自分の動きを撮影してもらって動画で確認するのも効果的です。

③2歩の切り返し

空中での切り替え動作(②)を1歩から2歩連続に増やします。最初の膝の高さまで逆脚の膝が上がるように意識します。

④3歩の切り返し

2歩の次は3歩です。やり方としては歩数が増えるだけで、2歩も3歩も同じです。歩行や1歩と同様に目印を踏むようにします。

⑤ツースキップ(2のリズム)

3歩の後は1歩進むときに2回ずつ踏むツースキップ(2のリズム)で行います。スピードが速くなると動きをごまかしてしまいがちですが、目印を踏みながら正しく動かしましょう。スプリントの中間疾走につながります。

⑥ツースキップからの連続腿上げ

これらの発展形として、前半は2のリズムから後半を連続腿上げに切り替えるものも実施します。

⑦連続腿上げ

最初から連続腿上げを行います。

⑧片脚のみ連続

片脚だけ連続腿上げをします。目印は使わずに、切り替えを意識して行います。逆脚も行います。

⑨バウンドジャンプ(ポップコーン)

全身を弾ませて地面から反発を貰います。接地の瞬間に膝を引き上げます。本校では「ポップコーン」と呼んでいます。

⑩2のリズム→外してダッシュ

最初はツースキップで進み、途中でスピードバンドを外してダッシュします。最初に切り替えを意識し、すぐにスピードバンドを外して走ることで、普段との感覚の違いを意識できます。

スピードバンド

脚の流れを抑え、脚の素早い切り替え動作習得に

商品スペック

商品構成:バンド2本、チューブ(赤・緑)×各2本
サ イ ズ:(バンド)W60×L735mm(チューブ)赤/φ8×L300mm、緑/φ11×300mm
重  量:約325g/組
材  質:(バンド)SBR(チューブ)天然ゴム
■ 収納バッグ付き
台湾製

スピードバンド