ケアポールで筋緊張や左右バランスを整える

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ここまで3回のコラムで、 障がい者のトレーニングにおける「用具を使用することの効果」 と、その例( メディシンボールマルチジャンパー) をご紹介してきました。
今回は、「ケアポール」を使用したトレーニング方法をご紹介します。

「ケアポール」は、上半身・下半身(広背筋、骨盤、股関節まわり)の筋緊張や左右バランスを整えつつ、ストレッチを行うことができるアイテムです。

なお今回のトレーニングでは、一般的なケアポールに比べて2cmほど細く、ソフトな表面仕上げの「ケアポールソフト」を使用しています。
麻痺や痙性、反射が強い選手でも使用しやすく、さまざまなトレーニングへの活用が期待できます。

ケアポールに乗る前に

トレーニング前の背中の接地状態を確認します。
床(マット)に仰向けになり、背中全体・腰まわりやお尻まわりの接地状態を確認してください。

※通常、背骨を中心に背中全体や腰まわりが浮いていることが多いです。

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エクササイズ前
※体の片側に障がいがあると、筋量や感覚、関節の動きに左右差が生じ、姿勢やバランスの保持が難しくなります。
このようなときは、横方向から適切にサポートを加えることで姿勢の安定性が高まります。

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ケアポールトレーニング

〈基本ポーズ〉

1.頭から腰までが一直線になるように、ケアポールに乗る。

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2.大の字(できる限り)になり大きく深い深呼吸を5回程度行う。

〈上半身のエクササイズ①〉

1.両脚の膝を折り曲げ、ケアポールから落ちないように保持する。

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2.腕を伸ばして胸の上に上げ、両手を合わせて突き上げる。
鼻から吸って、大きく吐きながら、徐々に上へ上へと突き上げる。
肩甲骨を開く意識を強くもつ。

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3.両腕をゆっくりと胸の脇に下ろし、胸骨を大きく開く意識をする。

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4.1~3を10回程度繰り返す。

〈上半身のエクササイズ②〉

1.両脚の膝を折り曲げ、ケアポールから落ちないように保持する。

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2.腕を伸ばして胸の上に上げ、両手を合わせて突き上げる。
鼻から吸って、大きく吐きながら、徐々に上へ上へと突き上げる。
肩甲骨を開く意識を強くもつ。

3.腕を上げた状態から、手を合わせたままで肘を曲げないように徐々に頭の上まで下ろす(肘が曲がったらそこで終了する)。

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4.1~3を繰り返し(10回程度)、徐々に稼働範囲を広げ、頭上で両手が床につくまで行う。
最初からつかなくても焦らず、大きな深呼吸を忘れずに行う。

〈上半身のエクササイズ③〉

1.両方の手のひらを、腰の両脇につける

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2.その手のひらを、大きく円を描くように左右シンクロさせて外に回す。(10回程度)
※麻痺がある場合は、"麻痺側の手も動かしている"意識を忘れないようにするのがコツです。

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3.同様に、内回しを行う(10回程度)

〈上半身のエクササイズ④〉

1.両方の手のひらを、腰の両脇につける

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2.左右同時に、肘を曲げずに(出来る限り)肩の高さまで手を回す。

3.肩の高さにきたら手のひらを返し、頭上で手と手を重ねる。

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4.10回程度くりかえす。

〈下半身のエクササイズ①〉

1.ケアポールに乗ったまま、両脚を合わせて伸ばした状態で、つま先を立てる。

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2.骨盤・股関節を意識して、立てたつま先を左右に無理のない程度に動かす。(自動車のワイパーをイメージすると良い)

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3.10~20回程度くりかえす。

〈下半身のエクササイズ②〉

1.ケアポールに乗ったまま、少し開いた状態で両脚を伸ばし、つま先を立てる。

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2.骨盤・股関節を意識して、立てたつま先を内側・外側に無理のない程度に動かす。

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3.10~20回程度くりかえす。

〈下半身のエクササイズ③〉

1.ケアポールに乗り、両脚を伸ばした状態から、両足裏を合わせて、無理のないようにお尻側に引き寄せる。

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2."骨盤の動きを意識"して左右に揺らす。

3.合わせた両足を、無理のないように徐々にお尻に近づける。

4.2~3を10回程度繰り返し、足がお尻につくまで行う
※最初から無理をしない

〈最後に行う全身のエクササイズ〉

1.ケアポールに両腕・両脚を伸ばして開いた状態で乗る
(上から見るとXに見えるようにする。)

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2.左腕と右脚を同時に10秒程度伸ばす。(引っ張られるようなイメージで、指先・つま先まで伸ばす)(各10秒程度行う)
その時、右手は腰の位置まで下げ、左足は膝を立てた状態で保つ。

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3.左右を入れ替えて行う。

トレーニング終了後に

最後にケアポールから降りて床に背中をつけ、接地している感覚をトレーニング実施前(before)と比較して下さい。
背中が床に吸いつくような感覚に変わっていれば、筋緊張や左右バランスが整ったサインと考えられます。

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after(エクササイズ後)。

コラム著者 渡部 真秀 氏

<プロフィール>

■ ユニバーサルスポーツクラブ with-W 代表

■ 昭和35年7月10日生まれ

■ 福島県生まれ、活動拠点は埼玉県


<障がい者陸上との関わり>
視覚障がい者(中長距離)のガイドランナー経験をきっかけに、身体障がい者ならびに知的障がい者の陸上競技指導に打ち込む。

<活動のモットー>
「スポーツは共に成長し共に未来を拓く」
明るく楽しく元気よくスポーツを楽しみ、
①少しでもレベルアップを目指したい
②気持ちよく身体を動かしたい
③豊かで充実した人生を拓きたい、と思うすべての方々の応援をする。

渡部 真秀 渡部 真秀

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