マルチジャンパーを活用した
股関節強化エクササイズ
Multi Jumper

MVMV

コラム著者   角一 哲児 氏

<資格>

■ 柔道整復師

■ NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

角一哲児角一哲児

毎日の練習で「股関節」の周辺を強化したり、柔軟性を高めたりするメニューを取り入れている人も多くいらっしゃることでしょう。

私も、普段トレーニング指導を行う際には「股関節の強化」を一つのキーワードに掲げています。

股関節は〝人体最強の関節〟と呼ばれ、パワー発揮をするために大きな役割を担っており、陸上競技・野球・サッカー・ラグビーをはじめ、すべての競技における運動の軸となります。

ここでは、ニシ・スポーツの「マルチジャンパー」を活用した、股関節を効率よく、効果的に鍛えるためのおすすめのエクササイズを紹介していきます。

目次

股関節の構造と動き

具体的なエクササイズの紹介の前に、まずは股関節がどのような仕組みで動くのかを知りましょう。”どこを使っているのか”を意識することで、練習効果が更に向上します。

構造

  • 人体における最大の骨が大腿骨です。
    その先端にある大腿骨頭(ボール形)と、それを覆う寛骨臼(お椀型)で、股関節は形成されています。
骨

靭帯

  • ・腸骨大腿靭帯(Y靭帯)
  • ・坐骨大腿靭帯
  • ・恥骨大腿靭帯
  • 上記の関節外靱帯が股関節を支えています。
    腸骨大腿靭帯は人体の中で最も強度の高い靭帯と言われています。
骨
骨

筋肉

筋体積が大きい筋肉ほど大きなパワー発揮ができます。
筋肉の中で最も筋体積が大きいのは単一では大臀筋、複合筋では大腿四頭筋と言われます。
その中で、大臀筋は股関節伸展動作に、大腿四頭筋を構成する1つである大腿直筋は股関節屈曲動作にそれぞれ作用します。

つまり、人体の中で「最も大きな骨」と「最も大きな筋肉」を、「最も強い靭帯」で支え、使えるようにする役割を果たしているのが〝人体最強の関節〟の股関節です。

動き

股関節は球関節(臼状関節)であり、多軸性関節であるため、以下の通り、多方向へ動くことができます。

  • ・屈曲、伸展(前後方向)
  • ・外転、内転(左右方向)
  • ・外旋、内旋(回旋方向)

多方向へ動くことができるということは、それだけ多方向に対してのエクササイズを実施する必要があります。

股関節エクササイズを動画でチェック

いよいよ実際のエクササイズを紹介していきます。
有効なトレーニングギアは数多くありますが、今回は「マルチジャンパー」を活用したエクササイズを紹介していきます。

くぐる

ハードルを分離して使用できるので、チーム競技など人数の多い競技のトレーニングにも適しています。
全競技のウオーミングアップで有効ですが、特に守備の時に重心を落とす野球にはおすすめです。

①ハードルラテラルスクワット

主な目的は股関節の可動域向上です。
頭の高さを一定にすること、重心移動した側の股関節に体重を乗せることを意識してください。
■ 実施回数(目安):20回×2セット

②ハードルラテラルランジ

主な目的は股関節の可動域向上です。
ポイントは頭の高さを一定にすること、重心移動した側の股関節に体重を乗せてから逆足を引き付けることです。
■ 実施回数(目安):10回×2セット

またぐ

 

全ての競技に共通して片脚での動きは非常に重要になるので、競技問わずウォーミングアップにおすすめです。

①ハードルシングルレッグ ラテラルオーバー

主な目的は軸足の安定性強化です。
軸足のお尻に力を入れて片足立ちになり、骨盤の位置を安定させて、逆脚をゆっくりとコントロールしながらハードルをまたぎます。
■ 実施回数(目安):10回×2セット

②ハードルオーバー

主な目的は軸脚の安定性強化および股関節の可動域向上です。
軸足のお尻に力を入れて逆脚をまっすぐ引き上げ、骨盤が開かないよう注意してコントロールしながらハードルをまたぎます。
■ 実施回数(目安):10回×2セット

アジリティ&ジャンプ

全競技のトレーニングに有効ですが、特に切り返し動作や一瞬でパワーを出す必要のある、サッカー、バスケットボール、バレーボール、格闘技などはおすすめです。

①スラローム&ハードルジャンプ

主な目的は敏捷性および下半身パワー向上です。
ジャンプのときは腕をしっかり振って、着地では膝が内側に入らないように気を付けましょう。
スラロームのカッティング動作のときは、身体が流れないように外側に壁を作るイメージで行いましょう。
■ 実施回数(目安):3~5周

サーキットトレーニングの種目の一つに加えることもいいと思います。
特に心拍数が上がり、脚に疲労が溜まってきている状況でハードルジャンプは恐怖心が芽生えますが、バーがフレキシブルなため、思い切ってトレーニングが出来るでしょう。

ポールとフレキバーが分割しているので、さまざまなバリエーションのトレーニングを組み合わせて、同時に実施することが可能になります。

マルチジャンパー(10台組)

商品スペック

材 質
ベース/天然ゴム+合成ゴム
ポール/ABS
フレキバー/ナイロン樹脂、発泡ポリエチレン
サイズ
ベース/(φ)230×(H)60mm
ポール/(φ)25×(L)1000mm(500mm×2本)
フレキバー/約(φ)36×(L)550mm
重 量
約1430g/台
ベース:約1250g、ポール:約135g、フレキバー:約45g

台湾製

マルチジャンパー