中学生向けフィジカルトレーニング

~ 体幹トレーニング編 ~

MVMV

コラム著者   角一 哲児 氏

<資格>

■ 柔道整復師

■ NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

角一哲児 氏角一哲児

子どもは小さな大人ではない

「子どもは小さな大人ではない」フランスの哲学者ルソーが教育論『エミール』にて記述した1文です。この言葉は、スポーツ指導の現場にも当てはまります。

子どもと大人の身体は大きく異なり、大人が行っているトレーニングと同じことをすれば、トレーニングの効果が思うように得られないばかりか、ケガのリスクを高めてしまうおそれまであります。

一方で、成長途中である中学生の時期だからこそ、優先的に行っておきたいトレーニングも存在します。

今回から3回に亘り、「中学生アスリートに必要な身体能力・フィジカルトレーニング」というテーマでお話をしていきます。

実際にトレーニングを行う中学生アスリートはもちろん、その指導者や保護者の皆さまも参考にしていただければと思います。

中学生アスリートに必要な身体能力

中学生アスリートは、土台となる基礎的な身体能力を高めていくことが重要です。

基礎的な身体能力とは、筋肉・関節の柔軟性や可動性、身体操作能力、体幹の安定性などのことを指します。

高いパフォーマンスを発揮し続けるスポーツ選手の多くは、この土台となる基礎的な身体能力が高い傾向にあります。

13歳から15歳ころまでの中学生の時期は、骨格や筋力が著しく発達する時期であると言われています。(スキャモンの発育発達曲線)

ハードタイプ

この時期に適切なフィジカルトレーニングを行い、しっかりとした土台をつくることが、高いパフォーマンスを長く発揮し続けるポイントになります。

中学生アスリートに必要なフィジカルトレーニング|体幹編

ここからは、実際に中学生アスリートが行うべきフィジカルトレーニングをご紹介します。
第1回の今回は、「体幹トレーニング」について解説していきます。
プロのアスリートも取り入れている体幹トレーニングですが、なぜ体幹を鍛える必要があるのでしょうか?
体幹を鍛えることの重要性や、具体的な体幹トレーニングの例を紹介していきます。

体幹とは?

「体幹」とは、一般的に胸やお腹、背中など、頭と腕、足を除いた部分のことを指します。 腹筋や胴体部分のみではなく、胸や背中などの大きな筋肉、肩関節・股関節まわりの小さな筋肉まですべて体幹です。

「体幹と腹筋は同じものなの?」という質問をいただくことがありますが、「体幹の中に腹筋も含まれている」という表現が近いでしょう。

体幹を鍛えるのが重要なのはなぜ?

競技を問わず、トップレベルで活躍する選手の“姿勢の良さ“には目を見張るものがあります。
トップアスリートの共通点のひとつであるといっても過言ではないでしょう。

体幹を鍛えることで、ブレのない身体の軸をつくり、正しい姿勢を維持しやすくなります。

体幹を鍛えて身体の軸を安定させれば、日常の姿勢だけでなく、運動中のフォームも崩れにくくなります。
パフォーマンスを高めたり、良い姿勢をキープしたりするためにも、体幹を鍛えることが大切です。

ハードタイプ

体幹を鍛えるトレーニング方法

体幹を鍛えるトレーニングの中から、中学生でも行いやすいメニューをいくつか紹介していきます。

① 四つん這いキャット・回旋

四つん這いになり、背中を丸める・反るを繰り返します。
四つん這いから片手を後頭部におき、骨盤が動かないように意識をして体幹を左右に回旋します。

<ポイント>
・背中を丸めたときに腹筋の収縮を意識する。
・肩甲骨・胸椎・腰椎・骨盤の連動を意識する。

■ 実施回数(目安):10回×2セットずつ

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② スパイダーマンランジ

地面に手を付き、右肘と右膝・左肘と左膝を交互に近づけながらリズム良く移動させます。

<ポイント>
・内転筋のストレッチと臀部の収縮を意識する。
・腹筋の力が抜けないように。
・腰は低い位置で移動させる。

■ 実施回数(目安):10回×2セット

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③ アクティブストレートレッグレイズ

仰向けになり膝を伸ばし、つま先を真上にして両手は地面に付けておきます。
両膝を伸ばした状態で片脚は踵をつけたまま、もう一方の脚をゆっくりと上げていきます。

<ポイント>
・挙上する脚の股関節と下腹部を意識する。
・挙上しない脚のかかとは地面につけたままにする。
・膝は両脚ともに伸ばしたままにする。

■ 実施回数(目安):片脚10回ずつ×3セット

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④ 大殿筋エクササイズヒップブリッジ

仰向けになり、かかとを20cm程度のボックスなどに載せておきます。
股を開きながら腰をあげる・股を閉じながら腰を下ろす動作を繰り返します。

<ポイント>
・お尻を挙げるときに、腹筋にも力を入れる。
・腰が反り過ぎないように注意する。

■ 実施回数(目安):10回×3セット

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⑤ プランクジャックス

ボールの上に両手を置き、姿勢を維持したまま足の開閉を素早く繰り返します。

<ポイント>
・頭から足先が一直線になるように腹筋に力を入れる。
・腰が反り過ぎないように注意する。

■ 実施回数(目安):20回×3セット

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