メディシンボール 選び方から使い方までしっかり解説

メディシンボールとは
MEDICINEBALL

選び方からトレーニング方法までしっかり解説

MVMV

コラム著者   角一 哲児 氏

<資格>

■ 柔道整復師

■ NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

角一哲児 氏角一哲児

ジムなどでも見かける、バスケットボールのような見た目の「メディシンボール」。
見たことはあっても、どのように使うのかはわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、メディシンボールの概要や選び方、トレーニング方法などを紹介していきます。

メディシンボールとは

メディシンボールとは、トレーニング器具の一種で、競技者や一般のフィットネスユーザーが自身の身体を鍛えるために使用される、重量のある丸いボールです。

メディシンボールを使用する主な目的は、競技者であれば「全身のパワー向上」、「体幹強化」などのトレーニングを通じて、競技パフォーマンスを向上させるためです。

また一般のフィットネスユーザーであれば、ボディメイクやダイエットを目的とした「全身の筋力向上」、「体幹強化」などのトレーニングにメディシンボールを活用されます。

これらの目的を達成させるためのトレーニングにはさまざまな種類があり、またそれに応じたトレーニング器具を選定していく必要があります。

メディシンボールを使うメリット

さまざまなトレーニング器具の中から、なぜメディシンボールを使用したトレーニングを行うのかそのメリットを説明していきます。


① お手軽にトレーニングができる

最初にお話したようにメディシンボールは重量のある丸いボールです。一般的なダンベルと違い、重さはありますが形状は丸くて、素材もゴツゴツしていません。
女性の方で、筋力トレーニングと聞いてイメージする「重たい器具を持つ」というイメージとは遠く、トレーニングを開始するきっかけづくり、また継続する意欲も湧いてくるかもしれません。


② 幅広いトレーニングに使用できる

メディシンボールをもってスクワットなどの基礎的なトレーニングもできますし、お腹まわりのトレーニングで負荷を加えることもできます。
また、競技者であればメディシンボールを投げることで、全身のパワー向上も図ることができます。
メディシンボールをより遠くに投げるように努力するためには、下半身から体幹へ力を連動させる必要があります。この動きこそが、全身のパワーを向上させるために必要な動作となるのです。

メディシンボールの選び方

つづいてメディシンボールの選び方について説明します。メディシンボールと一口に言っても、重さや形状、サイズなど世の中にはさまざまな種類が存在します。
では、何を目安にするのか3つのポイントをご紹介していきます。

① タイプから選ぶ

メディシンボールは、素材や形状によってハード、ソフト、グリップ・ロープ付きの3タイプに分けられます。
それぞれ特徴が異なるので、トレーニングに合わせたものを選ぶことが大切です。

ハードタイプ

【特長】

  • ・表面が革やゴムでできたもの
  • ・表面に凹凸があるものなら、汗をかいていても滑りにくい

【向いているトレーニング】

  • ・体幹トレーニングやスクワットなどの基礎トレーニング
ハードタイプ

ソフトタイプ

【特長】

  • ・表面がクッション性のある素材でできたもの

【向いているトレーニング】

  • ・投げ合うトレーニング
  • ・リハビリ用途
ソフトタイプ

グリップ・ロープ付き

【特長】

  • ・グリップやロープを活用することで、負荷のかけ方に変化を持たせられる
  • ・ロープ付きはロープを持って振り回すことができるため、それに耐えうる体幹まわりの筋力アップが見込める
ソフトタイプ

② 重さから選ぶ

メディシンボールの重さは、トレーニングの負荷に直結します。トレーニングは「漸進性、過負荷の原則」という言葉があるように、少しずつ重量や回数などの負荷量を増やすことで身体が進化していきます。

重すぎるとフォームが崩れたりケガをしたりする恐れがあるため、男性なら3kg前後、女性なら2kg前後を目安に、無理のない重さから始め、慣れてきたら重さを増やしていくことをおすすめします。

2kgのおすすめメディシンボール(初心者・女性におすすめ)

③ サイズから選ぶ

メディシンボールはしっかりとつかめるかどうかも、トレーニング効果を高めるためのポイントとなります。
ハードタイプは小さく、ソフトタイプは大きめのものが多い傾向にあります。
片手で行うトレーニングには直径20cm以下の小さめのものが、両手で掴んで身体全体を使うようなトレーニングには直径25cm以上の大きめのものが適しています。

メディシンボールを使ったトレーニング例を動画でチェック

いよいよ実際にメディシンボールを使用したトレーニングを紹介していきます。

① 一般のフィットネスユーザー

・Squat to Press (スクワット トゥ プレス)

主な目的は下半身の筋力強化です。下半身の力を上半身に伝えるイメージをもちボールを頭上にあげることで全身のトレーニングにもなります。
10回3セットを目安に実施してください。

・Roll Up to Push Up (ロールアップ トゥ プッシュアップ)

主な目的は腹筋と胸まわりの筋力強化です。脚を伸ばして腕立て伏せができない場合には、膝をついて行ってください。
10回3セットを目安に実施してください。

・Plank jacks(プランクジャックス)

主な目的は、体幹部の筋力強化です。ボールの上に手を置くことで、より不安定な状態をつくって体幹部に刺激をいれます。
20回3セットを目安に実施してください。

② 競技者

・Burpee with Scoop Throw for Height(バーピーウィズスクープスローフォーヘイト)

主な目的は体幹部の筋力強化と全身のパワー向上です。下半身の力でボールを頭上に高く投げるようにしてください。
10回3セットを目安に実施してください。

・Single Leg Slam(シングル レッグ スラム)

主な目的は体幹部のパワー向上です。腕で叩きつけるのではなく、腹筋の力を最大限使いましょう。
10回3セットを目安に実施してください。

ニシ・スポーツのおすすめメディシンボール

ニシ・スポーツでは、ソフトタイプやハードタイプ、重さなど、幅広いタイプのメディシンボールを取り扱っています。それぞれの商品の特徴を紹介していきます。

ハンマーメディシン

ハンマーメディシン
~体幹強化の薪割りトレーニング~

カーボン製の柄(グリップ)にメディシンボールを装着したトレーニング器具です。
商品名のとおり、ハンマーのようにボール部を地面に打ち付けるトレーニングが可能です。
全身の連動性を高める感覚を養いながらパワーアップも同時に期待できます。

バリエーション
  • 3kg
  • 5kg
  • 7.5kg
  • 10kg
メガソフトメディシンボール

メガソフトメディシンボール
~体幹トレーニングのための「大きさ」「やわらかさ」を追求~

大型でソフトタイプのメディシンボールです。
直径が35cmあり、身体全体を使って投げる意識付けを促します。クッション性があるので、キャッチの際の衝撃を軽減します。サイズがすべて35cmなので、同じ手幅感覚で異なる重量トレーニングができます。

バリエーション
  • 2kg (φ35cm)
  • 3kg (φ35cm)
  • 4kg (φ35cm)
  • 5kg (φ35cm)
スラムメディシンボール

スラムメディシンボール
~「叩きつける」「投げつける」~

砂が充填されていて、弾みにくいメディシンボールです。
バウンドしにくい設計のため、跳ねを抑えて狭いエリアで使用できます。地面への叩きつけに適しています。サイズがすべて23cmなので、同じ手幅感覚で異なる重量トレーニングができます。

バリエーション
  • 2kg (φ23cm)
  • 3kg (φ23cm)
  • 4kg (φ23cm)
  • 6kg (φ23cm)
  • 8kg (φ23cm)
  • ※バウンドさせたいトレーニングには不向きです。
    ※内部で砂が遅れて動くため、投げる(リリースする)タイミングがズレます。

ネモメディシンボール

ネモメディシンボール
~バランス性に配慮したベーシックタイプ~

回転モールディング製法により均一な厚みを持たせた、バランス性に配慮したベーシックタイプのメディシンボールです。表面は滑りにくいシボ加工をしています。

バリエーション
  • 1kg (φ19cm)
  • 2kg (φ19cm)
  • 3kg (φ24cm)
  • 4kg (φ24cm)
  • 5kg (φ29cm)
  • 6kg (φ29cm)
ジャンボメディシンボールカバー

ジャンボメディシンボールカバー
~ネモメディシンボールを中に入れて大型化(φ35cm)~

直径19cmまたは24cmのネモメディシンボールを入れることで、直径35cmの大型でソフトなメディシンボールに変身し、ダイナミックな動きでトレーニングができるようになります。

メディシンボールスローホルダーⅡ

メディシンボールスローホルダーⅡ

「ネモメディシンボール」「スラムメディシンボール」をホルダー部に入れて、スウィングによる体幹トレーニングやスローイング練習に使用します。持ち手を二つ折りにすると取っ手が短くなり、円盤投のターン練習や肩周辺のトレーニングにもお使いいただけます。

アンバランスメディシンボール

アンバランスメディシンボール
~水の入った不安定なボール~

表面は弾性力を持ち、中には水が半分入っているため、保持するだけで不安定な状況(アンバランス)を作り出すメディシンボールです。多くのスポーツは、アンバランスな状況下で行われます。アンバランスの状況はボールを投げる時やキャッチする時、またその動作の早さ、方向、強度などに応じて変化します。

バリエーション
  • 2kg (φ20.5cm)
  • 3kg (φ22.0cm)
  • 4kg (φ26.0cm)
スウィングメディシンボール

スウィングメディシンボール
~遠心力を利用したトレーニングなどに~

ゴム製のメディシンボールにロープがついているため、さまざまなトレーニングが行えます。球形のメディシンボールではトレーニングしにくかった肩関節や体幹のスウィングドリルや回旋ドリルにおすすめします。

バリエーション
  • 2kg (φ20cm)
  • 3kg (φ25cm)
  • 4kg (φ29cm)
  • 5kg (φ29cm)
  • 6kg (φ29cm)

メディシンボールで効果的なトレーニングを行おう

メディシンボールは、リハビリからダイエット、本格的なトレーニングまで、幅広い用途で活用できる使い勝手の良いトレーニング器具です。
サイズや重さなどを踏まえて最適なものを選び、日々のトレーニングに組み込んでみてはいかがでしょうか。